ひと昔前は管工事や土木工事という言葉を聞くと、
きつい、汚い、危険な仕事の3Kと言われ、あまり人気の無い業界でした。
しかし今では見方が変わり、給料がよく、休日が取りやすく、将来への希望が持てる
新しい3Kの仕事として人気が出ています。
実際にこうした専門の仕事は日本全国どこにでも需要があり、
世の中がどんなに不景気でも人々から必要とされ、社会から無くなることのない仕事です。
この記事では管工事や土木工事の仕事の内容や仕事の違いについて解説します。
管工事とは?
管工事では冷暖房設備や空調設備の工事をします。
また上下水道設備や吸排気ダクト、ガス管、浄化槽などの配管工事も行います。
一般家屋だけでなく、お店やショッピングモールなど、あらゆる建設現場で管を設置する必要があるため、
いつの時代でも高い需要がある分野です。
管工事の主な作業は、様々な設備にパイプやダクトといった管を設置する仕事です。
管の設置は資格が無くても出来ますが、建設工事の工程や安全を管理する現場監督を目指すならば、
管工事施工管理技士という資格を取得すると良いでしょう。
大きな施設に管を設置する時には、設置方法も難しくなり、使う管の種類も多くなります。
配管を間違えると大きな問題に発展するので、施工計画を詳しく把握して、
責任を持って全ての工程を管理する人が必要です。
建設工事では事故が起きないように細心の注意を払うので、
安全の確保を怠らないように気を付けます。
管工事ではどんな工事をするのか?
管工事で行う作業の中には、
空気調和設備工事、冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、
浄化槽工事、ガス管配管工事、厨房設備工事、ダクト工事があります。
例えば冷暖房設備工事では部屋の中が熱い時には、エアコンの冷房を使い、
寒い時には暖房を使えるように切り替えが可能な配置をします。
室内エアコンだけでなく、室外機を必要な位置に取り付けたり、配管や配線の工事も行います。
また室内の空気を入れ替えて、室内温度や湿度のバランスを保てるように、空調を整えることも仕事の一つです。
土木工事とは?
建物の建設する時に、左官屋さんや電気屋さん、塗装屋さんやクロス屋さんなど、
様々な業界の人が現場に訪れ作業工程表に従って作業をします。
土木工事もその中の一つで、建物内の作業ではなく建物を造るための基礎工事をします。
現場によっては、下水道の配管工事なども土木工事行うため、上水道を扱う管工事と間違われることもあります。
土木工事の3つの分野
土木工事は建設工事の中でも道路や橋を造る作業をします。
道路の下の下水道の配管工事なども行うので、地面の下の作業をする仕事という意味で
土木工事という言葉が用いられます。
土木工事には大きく分けて次の3つの分野があります。
・基礎工事:家屋や店舗など建物を建てる時に、基礎になる部分を作る作業が基礎工事です。
基礎工事では、地盤が弱い時に杭を打ちこむ基礎と、杭を使わずに地盤に直接基礎を据える基礎の2種類あります。
・造成工事:造成工事では土を足したり、土に石を混ぜるなど、建物を建てる前にその土地を整えます。
・外構工事:造園、排水作業、舗装作業など、建物の外を担当する作業を外構工事といいます。
管工事と土木工事の違いはあるのか?
建物の下水道の配管作業や、下水道処理場を作る工事は土木工事に分類されます。
しかし家や店、施設などの建物内の配管を整える作業、上下水道など管を設置する作業は、管工事に分類されます。
つまり同じ建設業で行う作業は似ていても、建物の中で水道関係の管を一式設置するのは管工事の仕事で、
庭から道路への下水管を扱う場合には土木工事に分類されます。
ちなみに取水・浄水・配水などを行う場所や下水処理施設などの処理設備を作る作業は水道施設工事と呼ばれ、
農業用水道や灌漑用配水などの設置は土木工事に分類されます。
これらの作業は似ているので、分類が若干ややこしいです。
公共工事を依頼する役所でもややこしく感じている
管工事は建物の中の配管を設置するのでわかりやすいですが、
公共工事を依頼する役所でも水道施設工事と土木工事の違いが明確にわからないという話をよく聞きます。
水道施設工事は上下水施設を作ったり、設置する仕事を行います。
上水道とは飲み水の水管で、一般に言われている水道です。
下水道とは都市部の雨水や汚水を地下の水管で集めます。
それから浄化施設に送り込み水の処理を行います。
また水道施設とは水道のための取水施設、貯水施設、導水施設、浄水施設、送水施設及び配水施設のことです。
土木工事は道路を掘り返して、その下の破損した下水道を取り除き、新しいものと取り換えます。
昔は下水道を扱う作業を水道施設工事を行う業者が入札していたこともあるため、
役所でもその名残があるため、仕事を発注する時にも間違ってしまう事もあるようです。
キャリアアップを目指すなら資格を取ると良い
管工事は店舗や家屋、ショッピングモールなど
あらゆる施設の建設をするときになくてはならない作業です。
管工事を行う人の需要が高いので、資格があれば様々な工事現場で働くことができます。
さらに建設業界全体に言えることですが、資格を持っている人は高齢になっているので、
若手で資格がある人が少ない現状があります。
若手の育成は建設業界では重要課題になっています。
そんな現状で建設工事は以前よりも複雑になり、高度な技術が求められます。
管工事の若手のスペシャリストは、どの企業でも喉から手が出るほど欲しい逸材です。
最初は資格なしで管工事の仕事をしていて、一度仕事に慣れてきたらキャリアアップを目指して、
管工事施工管理技術士の資格を目指してみると良いでしょう。
管工事施工管理技士の資格を持っていると、浄化槽設備士や給水装置主任技術者の資格を取りやすくなります。
例えば管工事施工管理技士の資格を持っていれば、浄化槽設備士の講習会に参加しただけで免許を申請できます。
また給水装置主任技術者の試験を受ける時にも管工事施工管理技士の資格を持っていれば、
2つの試験科目が免除されるので、他の人よりも資格を取りやすくなります。
一人の人が複数の資格を持っていれば、現場監督として採用される可能性も高くなり
働く分野が広がります。
若い人が自分のスキルを高めるためにも、資格を取ることをおすすめします。