ー土木の基礎知識と建設業での重要性！役立つ資格についても解説ー

土木分野に興味を持ち、就職や転職を検討している方にとって、まずは土木工事について正しく知ることが大切です。土木と一言でいっても、その範囲はとても広く、どの分野から学び始めればよいのか迷う人も多いでしょう。

この記事では、土木についての基礎知識をはじめ、おもな仕事内容と、役立つ資格について紹介します。

 

土木の基礎知識を理解しよう

土木とは、建設業における建築以外の部分を扱います。これは住宅、マンション、オフィスビルなどの建築作業には携わりませんが、建設業全体において大切な役割を担っています。

ここでは、建設業における土木の役割と、土木工事の特徴について見ていきましょう。

 

建設業での土木の役割

土木とは、「築土構木」という古代中国語から派生した言葉で、土と木を使用する建設活動の一部を指しています。建設業における土木工事は、おもに基礎工事や造成工事、外構工事の3つに分けられます。

 

基礎工事は、建物の土台となる地盤を整備する工事です。土地の測量から始め、杭基礎や独立基礎、ベタ基礎や布基礎などの基礎を築きます。 造成工事は、土地を建築に適した状態に調整する工事で、土の盛り足しや削除作業を行います。また、石積みや埋め立ても造成工事に含まれます。 外構工事では、建物以外の部分に関わる工事を行い、コンクリートの舗装、排水設備の設置、庭の造園など多岐にわたる作業を実施します。

 

土木工事のおもな特徴

土木工事は、単に建物を建設する際の工事に限定されません。土木という言葉は、元々土や木を使ってインフラストラクチャーを築くという意味を持ちます。公共プロジェクトとして行われることが多く、土木工事の範囲はかなり広いです。 例としては、道路工事や鉄道工事、トンネル工事などの公共交通関連工事があります。

 

また、河川の堤防作りや、海岸の砂防工事も土木工事に含まれます。ダムの建設や防風林の植樹も土木工事です。そのほかには、水道・電気・ガスといったライフラインに関連する上下水道の配管工事や発電所、ガス供給施設の建設、そしてメンテナンスについても土木工事に該当します。

 

さらに、情報通信網の整備も土木工事に含まれ、通信ケーブルの敷設やアンテナの設置作業も行われています。 土木工事は社会基盤の整備や維持に欠かせない役割があり、専門的に土木の仕事をするためには多岐にわたる豊富な知識が必要です。

 

土木工事の内容

土木分野の基礎知識の一つとして、仕事内容を分類することが大切です。土木工事の種類は多種多様ですが、作業員の仕事は大きく2つのカテゴリに分類できます。 1つは管理職で、これには現場の工程管理や安全管理などが含まれます。管理職は施工の計画を立て、実際の施工が計画通りに進行しているかを監督します。人員配置や予算の管理も責任範囲に含まれています。特に大規模な施工では、1人の全体責任者の下に複数の管理者が配置されることが一般的です。

 

もう1つのカテゴリは実務で、これは手作業と機械作業に分けられます。手作業には採掘や測量が含まれ、小規模なツールを使って細かい作業を行います。一方、機械作業ではブルドーザーやタンクローリー、ショベルカーなどが使用されます。手作業では技能と経験が、機械作業では操作技術と特定の資格が求められます。

 

土木業界で役立つ資格

土木分野での仕事に就くために資格が必ずしも必要とは限りませんが、特定の業務を行う際には資格が求められることがあります。また、キャリアアップを目指す場合、関連資格を持っていると有利になることが多いです。この記事では、土木業界で特に有用な資格をいくつか選んで紹介します。

1.土木施工管理士

土木施工管理士は国土交通省が管轄する国家資格であり、1級と2級があります。土木工事の施工管理に関する専門知識と経験を有する者が、試験に合格することで取得できる資格です。土木施工会社では、営業所に資格保持者を配置しなければなりません。また、監理技術者や主任技術者になるためには必要な資格です。

 

一般建設業では、1級または2級土木施工管理士資格を持つ者が専任技術者として従事することが許可されています。特定建設業の場合、1級土木施工管理士の資格を持つ者が不可欠です。土木施工管理士の資格を持つ者は、土木工事現場の適切な管理を行い、現場を効率的に監督する重要な人材とされています。

 

2.測量士

土木工事の初期段階で欠かせない測量を行うのが、測量士です。測量士は土地の面積や、建設現場の距離を正確に計測しなければなりません。道路整備やダム建設などの大規模公共工事では、測量士は欠かせない存在です。測量士は国土交通省によって管理されている国家資格であり、測量作業には資格保持者が必要です。土木関連の企業では、測量士は貴重な有資格者として高く評価されています。

 

測量士の資格は、測量関連科目を履修した大学、短期大学、高専、専門学校の卒業生が、一定の実務経験を経て取得できます。また、国家試験に合格することでも資格を得ることが可能です。この試験の受験資格には学歴、年齢、性別の制限がないため、測量を学んだ上で試験に合格すれば、誰でも測量士となることができます。

 

まとめ

この記事では土木工事に関する基本知識と重要な点を解説しました。土木業界で活躍するためには、基礎知識を持つことが必須ですが、土木施工管理士や測量士などの専門資格があると特に有利になるでしょう。公共のインフラを扱うため、高い責任感と専門性を持ったプロフェッショナルが業界では求められています。土木に関心がある方は、資格取得を目指して専門知識を深めることが望ましいです。