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-土木工事の基礎知識|舗装工事の役割と施工方法を解説-

土木工事のなかでも舗装工事は、道路などの地盤面を整え、道路の耐久性を向上させ、人や車が安全に通行できるようにするためにも欠かせない工事です。

舗装工事には3種類あり、さらに多くの種類に分類されます。
今回は、舗装工事の基礎知識や施工方法の種類について解説します。

 

舗装工事の役割

舗装工事は建設業29業種の1つで、道路などの地盤面を砂利や砕石などで締固め、表面にアスファルトやコンクリートを敷く土木工事です。

道路の耐久性を向上させ、安全性を向上させるほか、景観の改善や維持の目的で行われます。

舗装工事の多くは国や地方自治体などの道路管理者が行う公共工事で、新たに道路を作る新設工事、古くなったアスファルト舗装を新しくしたり、見えにくくなったラインを引き直す改良工事、道路の幅員を広げたり歩道を設置する改良工事があります。

 

舗装工事の施工方法の基礎知識

舗装工事の施工方法は大きくアスファルト舗装、コンクリート舗装、特殊舗装の3種類があります。

 

アスファルト舗装

アスファルトと骨材を混ぜ込み、ローラーで締め固める舗装です。
短期間で施工が可能でコストを抑えられる土木工事です。

 

コンクリート舗装

コンクリートに水と石を混ぜて舗装する方法です。
コンクリートは硬く、耐久性が高いため、駐車場や道路などで広く活用されています。
ただし、コストがかかり施工に手間と時間がかかるため、追加工事を行う予定がある場合はアスファルト舗装の方が向いています。

 

特殊舗装

土地や道路の使用目的によっては特殊舗装を選択します。
色付きの舗装や特殊な素材で舗装を行い、地面に機能性を持たせます。

 

アスファルト舗装の基礎知識

アスファルト舗装の基礎知識として、アスファルトのメリットとデメリット、工法の種類をご紹介します。

 

アスファルト舗装のメリットとデメリット

アスファルト舗装は、走行性が良く工期が短いという特徴があります。
冷えると固まる性質があり、施工後数時間程度で車の走行が可能になります。
また、コンクリート舗装に比べて費用が安い点もメリットです。

一方で、耐用年数が短く、定期的な土木工事が必要なこと、高温に弱いこと、重量が大きくかかる場所には適さない点がデメリットです。

 

アスファルト舗装の種類

 

・改質アスファルト混合物

改質アスファルトはゴムや熱可塑性エラストマーを単独または併用して加え、石油アスファルトの質を改善したものです。

アスファルトの耐流動性、耐摩耗性を高めるために使用します。
一般的には道路の交通量の区分に応じ、所定の動的安定度を満たすように使用します。

 

・排水性舗装

多孔質なアスファルト混合物を用いて、雨水を路肩等に排水することを目的とした舗装です。
路面から雨水を速やかに排水することで、水はねやハイドロプレーニングの防止、夜間や雨天時の視認性の向上などの機能を持たせます。

 

・透水性舗装

多孔質なアスファルト混合物を使用し、路面に直接浸透させ、地中に水を還元する舗装です。

路面の水たまり防止、騒音低減効果、地下水の涵養(かんよう)、都市型洪水の抑制の目的として採用されます。

 

・すべり止め舗装

すべり止め舗装は、路面のすべり抵抗を高め、車両の走行安全性向上の機能を持つ舗装です。

すべり抵抗性能を高める工法路面の粗さを確保できるギャップ粒度のアスファルト混合物を用いて施工します。

 

・半たわみ舗装

空隙率の大きい多孔質なアスファルト混合物に、浸透用セメントミルクを浸透させたものを使用し、耐流動性、明色性、耐油性等を持つ耐久性の高い舗装です。

 

・ロールドアスファルト

不連続粒度の混合物を敷き均し、アスファルトで被覆した単粒砕石を散布し転圧した舗装です。
すべり抵抗性、水密性、耐摩耗性、ひび割れのしにくさに優れています。

 

・急速舗装修繕工法(QRP工法)

基礎と上層路盤工を同時に1回の敷き均し作業で舗装するため、土木工事の作業時間が短縮され、土木工事による交通渋滞を緩和できます。
大粒径混合物を使用し、耐流動性、耐摩耗性に優れた路面に仕上げます。

 

・耐キャタアスコン

荷重、衝撃に対しての抵抗力や什器のクローラーに対する抵抗力が大きい舗装です。

改質アスファルトにより強化したギャップ型アスファルト混合物の隙間にセメントを散布し、セメントペースト層を設け、耐キャタ性能を持たせる舗装です。

 

コンクリート舗装の基礎知識

コンクリート舗装の基礎知識として、コンクリート舗装のメリット、デメリット、代表的な舗装の種類をご紹介します。

 

コンクリート舗装のメリットとデメリット

コンクリート舗装は耐熱性に優れており、夏の強い日差しが当たっても、道路の表面温度が上がりにくい点、補修費用が安い点がメリットです。

一方で工事期間が長く、工事費用も高くなる点がデメリットです。

 

コンクリート舗装の種類

 

・普通コンクリート舗装

JISA5308で規定されているコンクリートで施工する土木工事で最も一般的に使用されるコンクリート舗装です。
コンクリートの厚さは15~30cmほどで、ひび割れ防止のための横目地が設けられます。

 

・転圧コンクリート舗装

固練りコンクリートをアスファルトフィニッシャを使って敷き均し、タイヤローラーなどで締め固めて施工します。
施工性が高く、比較的短期間での交通開放が可能です。

 

・連続鉄筋コンクリート舗装

連結した鉄筋を縦方向に配筋するコンクリート舗装です。
鉄筋によりひび割れを分散するため、普通コンクリートと違い横目地がありません。

 

・ポーラスコンクリート舗装

コンクリートを多孔質化することにより、コンクリートに排水機能や保水機能、騒音低減機能などを付与した舗装です。

 

特殊舗装の基礎知識

特殊舗装の基礎知識として、メリットとデメリット、特殊舗装の施工法の種類をご紹介します。

 

特殊舗装のメリットとデメリット

特殊舗装をすることで、舗装に機能性を持たせることが可能です。
特殊舗装の内容により、さまざまな機能があります。

一方で、工事費用が高い点がデメリットです。

 

特殊舗装の種類

 

・加熱混合式カラー舗装
アスファルトの代わりに石油樹脂系を使用した舗装で、材料の組み合わせによりさまざまな混合物を作れます。
主に土木工事では自然石透水舗装、自然石舗装、着色カラー舗装の3つの工法があります。

景観に合わせた色や趣を選べる点が特徴です。

 

・ベンガラ入りアスファルト舗装

アスファルト混合物にベンガラ(顔料)を加え、赤色の舗装に仕上げます。
景観を重視したい場所や、通学路や交差点を色彩で区別し、安全に交通できるように舗装します。

 

舗装工事は生活に身近な土木工事

舗装工事の基礎知識についてご紹介しました。
通行しやすく安全な道路には、舗装工事が欠かせません。
また、施工に関する基礎知識を押さえ道路の使用目的に合わせた機能の舗装工事を行うことで、より安心して道路を使用できます。

そのため、舗装工事は私たちの生活に身近な土木工事と言えます。