土木工事に関する資格はたくさんあります。
しかし、すべての資格を一気に取得するのは大変です。
そこで、数ある資格の中から、土木工事に従事する上で特におすすめの資格をご紹介します。
管理者として働くために取得しておきたい資格
土木工事ではある程度の経験を積んだ後、管理者として働く方も増えてきます。
管理者になるためには「土木施工管理技士」「技術士」「技術士補」の取得を目指すのがおすすめです。
土木施工管理技士は主任技術者・監理技術者として働くために必要な資格です。
技術士は、管理業務や技術者の指導業務を担当することが出来る資格です。
重機オペレーターとして働くために取得しておきたい資格
建設現場で使用する重機の多くは、公道を走行する際に大型免許や大型特殊免許が必要です。
重機オペレーターを目指すならまずはこれらの運転免許を取得することになります。
そして、重機には種類ごとに資格の取得や講習の受講が必要です。
同じ種類の重機でも、積載荷重や吊り上げ荷重などにより資格が異なりますので、まずは1つの重機の資格取得を目指し、少しずつ資格を増やしていくと良いでしょう。
特に、「車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)」と、「クレーン・デリック運転士免許(限定なし)」は取得しておくと良いでしょう。
より専門性を高めるならこんな資格も
土木分野で専門性の高い資格を取得しておくと、業務の幅を広げることができます。
専門性の高い資格には例えば「コンクリート診断士」や「下水道技術検定」などの資格があります。
その他、建設分野では資格がなければできない独占業務があります。
やや資格の難易度は上がりますが、「電気工事士」「測量士」「建築士」などを取得しておくと役立ちます。
土木施工管理技士
土木施工管理技士は土木工事の現場に配置される管理・監督に従事する人材として活躍するために必要な国家資格です。
道路や橋、トンネル、河川等の土木工事の施工計画を作成し、現場での作業工程、品質や安全、コストを管理します。
また、これ以外に用地の確保から役所への手続き、書類作成、周辺住民への説明など、幅広い仕事を任されます。
土木施工管理技士には1級と2級があります。
1級と2級の違いは担当できる工事の規模です。
1級はすべての土木工事で、作業工程ごとの責任者である「主任技術者」と現場全体を指揮する「監理技術者」の両方に選任される資格を有しており、あらゆる土木工事で管理の業務に携わることができます。
一方、2級は試験内容が「土木」「鋼構造物塗装」「薬液注入」の3種類に分かれており、合格した専門分野において「主任技術者」として監理業務を行うことができます。
技術士・技術士補「建設部門」
技術士は各産業分野において、技術コンサルタントとして活躍することができる高い専門能力を持った技術者であることを示す国家資格です。
科学技術分野で最高位の国家資格とされており、資格取得者の多くは技術コンサルタントとして技術者を指導する立場となり、我が国の建設業界において欠かせない人材となります。
技術士の仕事は、技術コンサルタントとして建設に関する計画、研究、設計、分析、試験、評価に関する指導です。
技術士は技術士試験の一次試験と二次試験の両方に合格することで得られる資格です。
これに対し技術士補は、原則として技術士試験の一次試験のみの合格で得られます。
コンクリート診断士
コンクリートは住宅やビルの他、河川の護岸工事や防波堤・防潮堤などさまざまな場所で用いられています。
強度の高いコンクリートも年月とともに劣化していきますが、コンクリートの品質規格の移り変わりや施工条件、立地等から判断して適切な処置を行うことで使用期限を延ばすことができます。
コンクリート診断士は、竣工済み、施工済みの構造物で使用されているコンクリートの評価、劣化状況の点検と診断、補修補強計画などの計画を行います。
下水道技術検定
下水道は人々の生活を支える大切なインフラであり、下水道の維持管理、計画などには専門知識や技術が必要となります。
下水道の設計や工事の監督管理、維持管理は、下水道法及び下水道法施行令により、学歴に応じた一定の下水道実務経験を有する者に行わせる必要があります。
下水道技術検定は、このような下水道事業を実施するための有資格者の確保に活用されており、下水道の設計や工事技術に関する技術力を認定する資格です。
認定する技術の内容により第1種~第3種までの3種類があり、第1種が最も難関となっています。
第1種は下水道の計画設計を行うための技術、第2種は下水道の実施計画及び工事の監督管理を行うために必要な技術、第3種は下水道の維持管理を行うために必要な技術を認定します。
車両系建設機械運転技能講習(整地・運搬・積込み用及び掘削用)
車両系建設機械とは、動力を用いて自走できる建設機械のことを指します。
ブルドーザーやパワーショベル、バケット掘削機、コンクリートポンプ車といった重機は、車両系建設機械となります。
車両系建設機械を使用するための講習には車両系建設機械運転技能講習があります。
資格の種類は、作業の目的と使用する機械、アタッチメントにより、
・整地・運搬・積み込み用及び掘削用
・解体用
・基礎工事用
・コンクリート打設用
の4つに分類されます。
これらの資格があれば建設機械についている機械表示で機体質量が3t以上の機械の操作が可能になります。
クレーン・デリック運転士免許(限定なし)
つり上げ荷重が5t以上の天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーン、ガイデリック、スチフレッグデリック、ジンポールなどの各種クレーン及びデリックを運転するために必要な国家資格です。
「クレーン・デリック運転士(限定なし)」は吊り下げられる荷重が5t以上のすべてのクレーンとデリックを運転できます。
将来どんな働き方をしたいかを見据えて資格取得を目指しましょう
土木関連の資格は非常に多くの種類があります。
自分がどのような作業に関わるのか、将来どのように働きたいかにより、取得しておきたい資格は異なります。
将来的にどのようなキャリアを積むか考えながら目指す資格を見つけていくと良いでしょう。