株式会社Second Voice

‐土木作業員が知っておきたい土木・建設工事の騒音対策‐

土木工事をはじめとした建設工事では騒音がつきものです。

とはいえ、騒音対策をしていないと周辺住民からクレームが起こるなどトラブルにつながる可能性もあります。

 

今回は、土木作業など建設作業の現場に携わる作業員が知っておきたい騒音対策について解説します。

 

 

建設現場における騒音・振動の要因

 

土木工事などの建設現場で起こる騒音・振動の要因は主に次の5つです。

 

 

解体作業

 

解体作業は建設現場で起こる騒音や振動の代表的な要因です。

 

什器にブレーカや圧砕機を取り付けてコンクリート材や木材で造られた建物を壊していく作業は重機そのものの騒音や振動のほか、解体したがれきが地面に落ちることでも大きな騒音や振動が発生します。

 

 

建設機械による作業

 

土木工事や建築工事、解体工事では人力では持ち上げられないようなものが多く、資材を運ぶだけでも建設機械が必要になります。

大型の建設機械は移動や操作だけでも大きな音や振動が発生します。

 

 

大型車両の出入り

 

資材を運び入れたり、土砂を運び出すために工事現場では大型トラックの出入りがつきものです。

 

建設機械と同様、大型車両の移動や操作には騒音と振動が発生します。

 

 

作業員の声

 

工事現場では作業員が指示を出したり、車両を誘導する際に声を出します。

安全上必要なことではありますが、この声がうるさいとクレームになることがあります。

 

作業上掛け声は必要ですが、騒音の1つの要因になっていると知っておくことが大切です。

 

 

建設機械の作業ミス

 

注意を払って作業をしていても、建設機械の操作に失敗して大きな音や振動が起こることがあります。

 

建設機械の操作ミスは事故や労働災害にもつながりかねませんので十分な注意が必要です。

 

 

 

騒音対策1:音源対策

 

土木工事は大型の重機や人の手を使って作業をしますが、作業音を小さくすることで騒音対策が可能です。

土木工事では効率を優先すると騒音が発生しがちです。

重機の操作方法一つで音を抑えられますので、工夫が必要です。

また、作業時間に配慮することで、近隣住民のストレスを軽減できるだけでなく、クレーム防止にも役立ちます。

 

 

重機の取り扱いを慎重に行う

 

重機は大きな音が起こりやすい建設機械です。

しかし、十分に注意して取り扱うことで騒音対策が可能です。

 

重機の移動を最小限にしたり、トラックに土砂などを積み込む際、落下高さを低くして静かに入れるなどの工夫により、騒音をある程度軽減できます。

 

 

アタッチメントを変更する

 

金属製の資材や廃材は、金属どうしがぶつかると大きな音が発生します。

金属音が1日中鳴り響くと周辺住民にとって大きなストレスになります。

 

金属製のアタッチメントで金属を取り扱うと大きな音が出てしまいますのでアタッチメントをゴム製のタイプに取り換えることで騒音対策ができます。

 

 

大型車両で通行する際は音と振動に配慮する

 

大型のトラックや重機は移動するだけでも大きな音と振動が発生します。

工事現場内では時速10km以下の最徐行を徹底するだけで騒音対策に効果が期待できます。

 

また、使用しないときはエンジンを切ることで騒音対策だけでなく、粉塵対策にも効果的です。

 

 

作業時間に配慮する

 

作業を早く進めたいからといって早朝から夜遅くまで毎日作業を行うと周辺住民にとってストレスの原因となります。

特別な理由がない限り、朝に作業を開始して夕方には撤収する、土日は作業を休むといった配慮が必要です。

 

また、特定建設作業では作業時間が規制されていますので、定められた時間内に作業を行う必要があります。

 

 

騒音対策2:土木工事の外部対策

 

土木工事による騒音を工事現場の外に漏れないようにする対策も効果的です。

丁寧な作業を心がけたとしても、完全に音を出さずに工事を進めることはできません。

大きな騒音が起こることが想定される現場では、防音シートや防音パネルを用いてできるだけ音が外に漏れないようにします。

 

 

防音シート

 

土木工事などの建設工事の騒音対策として広く活用されているのが防音シートです。

工事現場内の音を低コストで外に漏れにくくするだけでなく、粉塵対策にも使用できます。

素材も数種類あり、目的や用途に合わせて最適なものを選択できます。

 

 

防音パネル

 

防音パネルは板状の素材を組み合わせて壁のようにして現場から工事音が漏れることを防ぐものです。

 

広い工事現場はもちろん、道路工事などの狭い場所や一時的に騒音が起こる場所など、施工が必要な騒音対策が難しい場所にもパーテーションのように簡単に設置でき、作業効率を落とさずに騒音対策が可能です。

 

フラットな見た目が美観性向上にもつながりますので、パネルを使って工事現場の周辺の美観を保つ効果も期待できます。

 

 

クレーム発生を防止する土木工事現場の対策

 

土木工事では騒音対策をしていても周辺住民からクレームが発生してしまうことがあります。

そのため、次のような対策しておき、クレームを未然に予防するとともに近隣へ配慮することが大切です。

 

 

適切な作業計画の設定

 

騒音や振動に配慮した適切な作業計画を策定し、近隣への影響を軽減させます。

無理なスケジュールで土木工事を行ってしまうと、1日の作業時間が長くなってしまい、結果的にクレームの原因となります。

 

天候不良なども想定して、適切な作業計画を設定する必要があります。

 

 

事前に挨拶・説明を行う

 

土木工事が始まる前に周辺住民に挨拶回りをし、工事に関する説明をすることでクレームを防げます。

 

挨拶回りでは、土木工事のスケジュールや作業内容、発生する騒音や振動などについて説明します。

説明があることで周辺住民の不安を取り除くことが可能です。

説明の際には連絡先を記載したチラシを渡し、いつでも問い合わせられるようにしておきます。

 

 

現場スタッフを教育する

 

現場の作業員には、工事現場におけるマナーや挨拶、周辺住民への配慮、安全の確保などについて十分な教育を行う必要があります。

 

基本的なマナーを理解することで現場全体でクレーム防止に向けた取り組みを行えます。

 

また、現場にはクレーム発生時に必要な対応方法についても周知しておくことが大切です。

クレームに対する迅速な対応、情報共有、原因究明、再発防止策の立案などが含まれます。

また、クレームなどのトラブルが起こったら誰に報告するのかについても周知しておくことで、トラブル発生時も適切に行動できるようになります。

 

 

騒音対策をしておくことでトラブル防止につながる

 

建設工事では騒音、振動の発生はつきものです。

しかし、工事中は周辺住民に一定のストレスを与えてしまうのも事実です。

 

未然にさまざまな騒音対策を行っておくことで、クレームなどのトラブル防止につなげられます。

また、現場に関わるスタッフ全員が騒音に対する意識を持っておくことが大切です。