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土木工事で利用する代表的な重機・建設機械の資格の種類・講習内容

 

土木工事では重機や建設機械が不可欠です。
重機や建機を操作するためには定められた資格・免許が必要であり、使用する重機ごとに資格を取得する必要があります。

 

この記事では、土木工事でよく利用する重機・建設機械の資格の種類や講習の内容をご紹介します。

 

土木工事で使われる重機・建設機械とは

重機は土木工事など建設工事の作業で使用する建設機械のことです。

人力では難しい資材の搬入や搬出、掘削などを効率よくでき、土木工事ではなくてはならない存在です。

 

重機の主な動力源はディーゼルエンジンで、傾斜地など足場の悪い場所での使用を前提としているため、タイヤ以外にも無限軌道などが使用されている駆動輪のものが使用されています。

 

そのため、重機を操作するためには特殊な知識と技術を身につける必要があり、そのスキルを証明する資格を取得しなければなりません。

 

無資格で重機・建設機械の操作をしたらどうなる?

重機や建設機械は土木工事などの建設工事で特殊な作業をするための機械であり、取り扱いには免許・資格が必要です。

もし、無資格、無免許の人が操作や運転を行うと、作業者だけでなく、事業主も罰則の対象となります。

 

この場合、作業者は50万円以下の罰金、事業主は6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されますので注意が必要です。

次の項からは、土木工事で使用する主な重機・建機の資格をご紹介します。

 

車両系建設機械運転技能講習(基礎工事用)

機体重量3t以上の車両系建設機械(基礎工事用)のくい打機業務に従事する場合、労働安全衛生法に基づく技能講習を修了する必要があります。

 

車両系建設機械には

①整地・運搬・積込み用(ブルドーザー、トラクターショベルなど)
②掘削用機械(ドラグショベルなど)
③基礎工事用機械(くい打機、くい抜機など)
④締固め用機械(ローラー)
⑤コンクリート打設用機械(コンクリートポンプ車)
⑥解体用機械(ブレーカーなど)

に分類されており、これらの機械のうち、③基礎工事用機械の運転業務には車両系建設機械(基礎工事用)運転技能講習を修了していなければ業務に就かせてはならないとされています。

 

主な対象機械はくい打機、バイブロ、アースドリルなどです。

 

資格の講習内容

・学科
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識…4時間
作業に関する装置の構造、取り扱い及び作業方法に関する知識…6時間
運転に必要な一般事項に関する知識…3時間
関係法令…1時間

 

・実技
走行の操作…10時間
作業のための装置の操作及び合図…15時間

 

講義は保有する資格や免許により一部免除されます。

 

車両系建設機械運転技能講習(解体用)

車両系建設機械(基礎工事用)と同様、機体重量3t以上の車両系建設機械(解体用)の業務に従事する場合、労働安全衛生法に基づく技能講習を修了する必要があります。

 

解体機械の多くはショベル系建設機械に分類されるドラグショベル(油圧式ショベル)のバゲットを解体用のアタッチメントに交換することで解体用機器になります。

 

鉄筋コンクリート造の建築物の場合、油圧または空気圧で駆動するブレーカーユニット、油圧式のアタッチメントで構造物を押し砕くコンクリート圧砕機が使用されます。

 

資格の講習内容

・学科
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識…4時間
作業に関する装置の構造、取り扱い及び作業方法に関する知識…5時間
運転に必要な一般事項に関する知識…3時間
関係法令…1時間

 

・実技
走行の操作…20時間
作業のための装置の操作及び合図…5時間

 

講義は保有する資格や免許により一部免除されます。

 

ショベルローダー等運転技能講習

ショベルローダーは車体前方のショベルをリフトアームで上下させて土砂などをダンプに積み込む作業によく使用される土木工事ではなくてはならない重機です。

 

また、フォークローダーは車両前方のフォークをリフトアームで上下させ材木などを運ぶ際に使用されます。

 

最大荷重1t以上のショベルローダー、フォークローダーの運転作業に従事する場合、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了することが義務付けられています。

 

資格の講習内容

・学科
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識…4時間
荷役に関する装置の構造、取り扱い及び作業方法に関する知識…4時間
運転に必要な力学に関する知識…2時間
関係法令…1時間

 

・実技
走行の操作…20時間
荷役の操作…4時間

 

講義は保有する資格や免許により一部免除されます。

 

不整地運搬車運転技能講習

不整地運搬車は河川改修工事、道路工事、宅地造成工事など土木工事で、比較的悪い地盤で走行する荷を運搬する車両のことです。
最大積載量1t以上の不整地運搬車の運転作業に従事する場合、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了することが定められています。

 

資格の講習内容

・学科
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識…4時間
荷の運搬に関する知識…4時間
荷の運搬に必要な力学に関する知識…2時間
関係法令…1時間

 

・実技
走行の操作…20時間
荷の運搬…4時間

 

講義は保有する資格や免許により一部免除されます。

 

クレーン・デリック運転士

クレーンは動力を用いて荷をつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置です。

 

つり上げ荷重5t未満のクレーンは「クレーン運転特別教育」修了で業務ができますが、5t以上のクレーン運転業務はクレーン・デリック運転免許を受けていないと就業できません。

 

資格の講習内容

・学科
クレーンに関する知識…3時間
原動機及び電気に関する知識…3時間
クレーン運転のために必要な力学に関する知識…2時間
関係法令…1時間

 

・実技
クレーンの運転…3時間
クレーンの運転のための合図…1時間

 

土木作業員は扱える重機が多いと活躍の場が広がる

土木工事で使用する重機の免許・資格はご紹介した以外にも数多くの種類があります。
土木作業員は取り扱いできる重機の数が多いと重機オペレーターとしての活躍の場が広がります。

 

また、重機や建機は資格を持たない人が操作するとその作業員だけでなく事業主も罰則の対象となります。
現場で重機を取り扱う場合は該当する資格を保有した作業員の配置も必要です。