株式会社Second Voice

土木工事で騒音・振動が発生する原因と騒音対策・振動対策

 

土木工事や解体工事など建設作業には音や振動の問題がつきものです。
建設業者はできるだけ近隣住民に迷惑が掛からないよう騒音対策、振動対策をして工事を行っています。

 

ここでは、土木工事の騒音対策、振動対策について解説します。

 

土木工事の現場で騒音・振動が発生する原因

土木工事ではどの現場でもできる限り騒音対策をしてはいますが、どうしても騒音や振動が発生してしまう場合もあります。

次にご紹介するケースでは音や振動が発生しやすくなります。

 

解体作業

建設現場の騒音・振動の代表的なものが解体作業です。

 

重機に圧砕機やブレーカを取り付け、コンクリートや木材で作られた建物を解体する作業は重機による音や解体したがれきが地面に落ちる音など、大きな音や振動が発生します。

 

建設機械での作業

土木工事や建築工事では人が持ち上げられない大きさや重さの資材も多くあり、資材を運ぶために建設機械を使用します。

大型の建設機械の移動や操作では騒音や振動が発生しやすくなります。

 

車両の出入り

土木工事の現場では土砂を運び出したり、資材を搬入したりするために大型トラックの出入りが頻繁に行われます。
建設機械と同様、大型車両の通行や荷物の揚げ降ろしの際には騒音や振動が発生します。

 

作業員の声

建設現場は危険を伴うため、作業員同士の声掛けが必要な場面が多くあります。
車両の誘導や資材の受け渡しの際には安全のため、作業員どうしが声掛けを行います。

 

しかし、ときにはその声がうるさいとクレームになることがあります。
現場では安全のために声掛けが必要なため、必要な声は控えることはできませんが、ときには騒音と捉えられてしまう場合があります。

 

騒音や振動の基準値

土木工事では一定の基準値を超えないように作業を進めることが求められています。
騒音や振動の上限は「環境大臣の定める基準」とされており、具体的には以下の基準となります。

 

騒音の上限:85デジベル
振動の上限:75デジベル

 

75デジベル以上は非常に不快と感じる人もいるレベルであり、日常生活で同じ状態が続くとストレスにつながる可能性があります。
土木工事では相当大きな音が発生することが多くあり、業者としても十分な注意を払う必要があります。

 

騒音規制法と振動規制法

土木工事や解体工事などで発生する騒音や振動についてはある程度仕方ないものと考えられている一方で、法律によって規制されている部分もあります。

 

法律では近隣住民の健康の保護を目的として、騒音規制法と振動規制法が定められています。

 

騒音規制法

土木工事や解体工事では大型重機を使いながら工事を行います。
騒音規制法では、工事現場や事業場による大きな騒音が発生する作業を規制し、近隣住民を保護しています。

 

具体的には発生する騒音のレベルや作業可能な時間帯、日数、曜日などの基準が定められており、事業者はその基準内で土木工事を行います。

 

振動規制法

振動規制法も騒音規制法と同様、土木工事や解体工事で発生する振動により住民の方々を保護する目的で一定の基準を設けています。

振動の大きさや作業時間帯、日数、曜日などの基準が定められており、事業者はその基準内で土木工事を行います。

 

特定建設作業とは

「特定建設作業」とは著しい騒音が出やすい機械や道具を使用する現場作業について定めているものです。

騒音規制法や振動規制法では、特定建設作業に関して一定の規制があります。

 

特定建設作業にあたる具体的な機械はくい打機、びょう打機、さく岩機、空気圧縮機、コンクリートプラント、アスファルトプラント、バックホウ、トラクターショベル、ブルドーザーなどで、基本的に一定の条件以上の出力や作業の場合に該当します。

 

土木工事の騒音対策・振動対策

防音シート・防音材を使用する

現場に防音シートを設置すると作業現場の音漏れを軽減できます。
また、地面にクッション材を敷くといった振動・騒音対策もあります。

 

建設機械のアタッチメントを工夫する

建設機械の金属製アタッチメントで金属製の資材や廃材を運ぶと、アタッチメントと資材が当たるときに大きな音が出てしまいます。

そこで、アタッチメントをゴム製のものに付け替えることで騒音対策が可能です。

 

さらに、アタッチメントをブレーカから圧砕機に変更してある程度の振動を抑えることも可能です。

 

重機の取り扱いに注意する

騒音や振動は重機の取り扱い1つでもある程度軽減できます。

 

重機に無理な負荷をかけないよう丁寧に扱う、重機の移動を最小限にする、掘削物をトラックに積み込む際、落下高さを低くしてスムーズに行うなどの工夫により騒音対策、振動対策を行います。

 

現場での大型車両の通行は最徐行とする

大型クレーンや大型重機は移動だけでも大きな音や振動が発生します。
工事現場内を通行する際には時速10km以下の最徐行をするだけでも振動・騒音対策になります。

 

また、アイドリングストップを実施して使用しないときはエンジンを切ることで騒音対策だけでなく粉塵対策にもつながります。

 

工事現場の外の一般道を通行する際にも工夫が必要です。

 

運搬車は走行速度、走行頻度を十分検討し、幅員の広い道路を選びカーブの手前で十分に減速する、運搬路は必要に応じて往路と復路は別経路にするなどして対策します。

 

事前に挨拶・説明会を行う

土木工事で騒音トラブルを避けるためには近隣への事前挨拶が重要です。
工事を開始する前に事業者が主導して近隣を訪問したり、挨拶状をポストに投函したりなどします。

 

説明会の目的は建設計画や工事の存在を住民に周知することです。
建設物の用途や工期はもちろん、敷地の形態や広さなどについても説明します。

 

さらに土木工事にあたって周辺に及ぼす可能性のある影響や工事による危害の防止策など、近隣住民に直接影響が出る可能性に関しても説明します。

 

土木工事業者は騒音・振動に対して細心の注意を払う

土木工事は騒音や振動が発生しやすい工事です。
近隣の方々へのストレスを最小限にするため、完成後の設備を快適に利用してもらうため、騒音対策、振動対策は必須となります。

 

作業中に音や振動を軽減するよう気を付けるだけでなく、事前説明をしっかりと行いトラブルを避けることが求められます。