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土木工事に関する公共工事の検査の目的と種類・内容とは
建設工事では検査に合格しなければ、工事が完成しません。
特に土木工事はインフラを造る工事が多く公共工事の検査は避けて通ることはできないものです。
今回は、建設工事の検査の種類や、公共工事の検査について解説します。
建設工事の検査の種類
建設工事では工事の内容と品質が一定水準を満たしているか、法律に適合した工事を行っているか、などを確認するため検査を行います。
検査は、土木工事や建築工事など、あらゆる建設工事で行われ、以下のようなものがあります。
建設主検査
建設主は公共工事の場合は知事や市長、会社等の場合は会社の代表者、一般住宅では施主を指し、その建設主が検査を行います。
土木工事をはじめとした公共工事は建設主は知事や市長ですが、実際には市町村の管轄している課の担当者が検査を行います。
建設主検査は主に契約と相違がないかを見ることが主な目的で、引き渡し検査と呼ばれることもあります。
工事監理者検査
工事監理者は設計者など、工事が設計図通りに行われているかを確認するものを指します。
専門的な知識を持つ建築士などが工事が適正に行われているか確認するために行う検査が工事監理者検査です。
施工者自主検査
建設会社など施工者が行う検査を施工者自主検査と言います。
建設会社によっては品質検査部などの専門部署が検査を行う場合もあります。
確認申請検査
建設工事における行政手続きの代表的なものが「確認申請」です。
建築基準法では、新築工事に対して確認申請の手続きと完了検査を受けて合格することが条件となっています。
完了検査に合格していないと建物の使用ができないため、確実に検査に合格する必要があります。
土木工事は公共工事が多い
土木工事は建設工事のうち、建物以外の工事を指します。
土木工事は主に土や木材を使って地面や河川などの工事を行うほか、インフラを整備する大規模な工事も多くあり、その大半は公共工事となります。
公共工事は国や地方自治体が行い、主に人々の生活の利便性向上や経済活動の活発化を目的として行う工事で、発注するのは国や地方自治体です。
インフラ工事の多くは新しく道路を作ったり、橋を建設するなど土木工事です。
そのため、土木工事では「公共工事の検査」が付き物となります。
公共工事の検査の目的
公共工事の検査には2つの目的があります。
工事目的物が設計図書通りに完成しているか
1つ目の目的は、道路や建築物などの工事目的物が設計図書の通りにできているかを確認することです。
公共工事はほとんどが請負工事として発注されています。
発注者(国や地方自治体)は工事目的物が完成した場合、受注者(工事業者)から工事目的物を引き取ります。
その際、発注者は発注時に明示した出来形基準、品質管理基準などに基づいて検査を行います。
検査の結果、工事が適切に行われていれば、工事目的物の引き渡しを受け、工事業者に工事費用を支払います。
工事の効率化と工事業者の技術水準の向上
2つ目の目的は、工事が効率的に適正に行われるよう促すとともに、受注者の技術水準の向上を図ることです。
そのため、工事の実施状況や品質について確認し、指導や評価を行います。
公共工事の検査の段階
完了検査
完了検査は土木工事や建築工事が全部または一部完成し、目的物の全部または一部引き渡しのために行う検査です。
出来高検査
出来高検査は出来高払いをする際に必要な検査です。
中間検査
中間検査は事情により目的物の引き渡し前に部分使用をする必要が生じたときや完了検査時に検査ができない部分があるときなど、工事の進捗状況や施工技術等工事の実態の把握や工事成績の評定の参考にするため、工事施工中に検査員が臨場して行う検査です。
公共工事の検査の方法
公共工事の検査には書面検査と現場検査があります。
書面検査
書面検査では契約書、設計書、仕様書、施工計画書、品質管理表、出来形管理図、工事写真などの書類に基づき、工事の施工状況を確認する検査です。
現場検査
現場検査では設計図面、出来形管理図などの書類に基づいて工事現場で工事目的物の出来形、品質、出来栄えなどを検査します。
土木工事の検査項目
工事検査は考査項目別運用表に基づいて実施され、評価を受けます。
土木工事の監督職員は、工事検査を意識しながら品質管理、出来高管理、安全管理など、必要な書類を随時整理します。
国道交通省の発注工事の考査項目は以下のようになります。
施工体制
・施工体制一般
施工体制、施工管理体勢が評価されます。
・配置技術者
現場代理人、監理技術者、専任技術者等の職務の執行及び技術的判断に関して評価されます。
施工状況
・施工管理
施工計画書に基づき、適切かつ効率的な施工管理を実施しているかどうか評価されます。
・工程管理
適切な工程管理を実施しているかどうかが評価されます。
・安全対策
安全管理措置を適切に実施しているかをチェックされます。
・対外関係
対外調整、周辺環境対策などに対し、適切に実施しているかどうか評価されます。
出来形・出来栄え
・出来形
目的物の出来形の水準を見られます。
・品質
目的物の品質水準が評価されます。
・出来栄え
目的物の仕上げやすりつけなどの出来栄えや機能に関して評価されます。
工事特性
施工規模、工法の難易度、自然環境、社会条件に対して高度な技術力で対応したものについて評価されます。
創意工夫
施工、品質、安全衛生に関して、創意工夫を持って対応したものについて評価されます。
社会性等
環境保全、地域とのコミュニケーションや地域活動への参加等で地域に貢献した内容について評価されます。
法令遵守等
関係法令などを遵守し、無事故、無処分で工事が実施できたかに関する評価です。
総合評価技術提案
総合評価落札方式において技術提案を求めた工事について、その履行状況を評価します。
土木工事では検査は不可欠
土木工事は公共工事が多いため、「公共工事の検査」は切り離せません。工事の監督者は品質管理や工程管理、安全管理などを行いながら施工管理技士とともに検査に必要な書類の準備をする必要があります。
工事は検査に合格してはじめて引き渡しができます。
施工業者は検査の目的や意義をしっかりと理解して工事に携わる必要があります。
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