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ー土木工事の必要資格5つとは?業務の範囲と資格の取得条件を詳解ー


土木工事には、専門的な技術が必要とされるため、資格や施工者の技術レベルを証明するさまざまな資格があります。

どのような資格が土木工事で求められるのでしょうか。本記事では、土木工事に必要な資格を仕事の内容や受験条件もあわせてご紹介します。

 

必要資格を取得するメリット

資格を取得することのメリットを挙げてみましょう。

 

資格手当で収入アップ

必要な資格を取得すれば、資格手当を通して給料が上がることが一般的です。どの資格を取るかによって異なりますが、月額3,000円から5万円程度の手当増加が見込まれます。さらに多くのスキルを身につけると、職場内での地位が向上し、昇進の可能性も高まります。

 

転職しやすくなる

資格を所持することで、さまざまな企業からの需要が高まり、転職の機会が広がります。

現在の職場に満足していない方や、より規模の大きな工事で活躍したいと思っている方は、資格を取得してから転職することをおすすめします。

 

職場で重宝される

土木関連の資格があれば、その資格を必要とする特定の業務を担えるため、職場での価値が高まります。

また、資格があれば対応可能な現場が多くなるだけでなく、規模も拡大するため、仕事に対する充実感が得られるでしょう。

 

土木工事の必要資格5つ

ここからは、土木工事に必要な5つの資格について解説します。紹介する資格は、特に重要なものや現在特に注目されている資格です。

 

1.1級土木施工管理技士

1級土木施工管理技士は、土木工事の全般を指揮し、管理するための必要資格です。

工事現場では、工事の金額に応じて、「監理技術者」または「主任技術者」が必須とされています。1級土木施工管理技士は両方の役割を果たすことができ、土木業界では非常に重要な資格とされています。

1級土木施工管理技士の資格をがあれば、道路・トンネル・ダム・河川工事・災害復旧作業など、さまざまな現場での仕事を得やすくなります。

 

・仕事内容

1級土木施工管理技士の主な職務には、工事スケジュールの計画と監督、必要な手続きの処理、地域住民への対応が含まれます。主に裏方の作業が多いものの、品質と安全の管理も重要な役割です。

現場全体を管理する重責を担うため、所属する組織で高く評価される資格でもあります。

 

・受験資格と合格率

1級土木施工管理技士の試験を受けるには、実務経験が必須で、その必要年数は学歴や他の資格の有無によって異なります。受験には最短で3年、最長で15年の経験が求められます。合格には、一次の学科試験と二次の実技試験の両方に合格しなければなりません。

一次試験の合格率は50%〜60%、二次試験は30%〜40%の範囲です。

 

2.測量士・測量士補

測量士・測量士補は、土木工事や建設現場において、工事前の位置や距離、面積の測定に必要な資格です。測量士または測量士補がいないと、測量作業を行うことができません。

測量は工事の基礎を形成する、極めて重要な工程です。誤ったデータに基づく作業は重大な安全事故につながる可能性があるため、有資格者による正確な測定が必須です。

 

・仕事内容

測量士・測量士補は、測定計画や実際の測量作業、測定データを基にした図面の作成などを行います。測量では光波測距儀やトランシットなど、正確な測定を可能にする高度な機器が用いられます。

測量士補は主に測量作業を担当し、測量士は測量計画や図面作成も行うことが一般的ですが、企業によっては役割に大きな差がないこともあります。

 

・受験資格と合格率

測量士・測量士補の試験には年齢や学歴、実務経験の要件が特になく、誰でも挑戦が可能です。測量士試験は年により10%前後の合格率となっており、非常に難しい試験です。測量士補の合格率はは30%〜40%なので、こちらも難易度は高いでしょう。

実技試験が省かれていることや特別な受験資格が不要であるため、土木業界未経験者でも十分な学習を積めば、合格できる可能性があります。

 

3.建設部門の技術士

建設部門の技術士は、全21部門からなる技術士資格の一つです。この資格は、測量士のように特定の作業に限定されるものではなく、所有者がその分野に深い専門知識を持っていることを証明します。

 

・仕事内容

建設部門の技術士は、主に建設コンサルタント業界で活動し、公共事業の企画や管理などコンサルティング業務に従事します。業務の例としては、道路補修工事の計画立案や調査、設計などがあります。

この職種はデスクワークが中心であり、現場での直接指導は少ないですが、工事全体の管理を担うために、詳細な知識と豊富な経験が必要です。

 

・受験資格と合格率

建設部門の技術士試験は一次と二次に分かれ、一次試験は学歴や経験に関わらず誰でも受験できますが、二次試験に進むためには7年間の実務経験が必要です。

この資格の二次試験の合格率は年により10%前後と、非常に厳しいものがあります。しかし、合格することでキャリアアップや独立の道が開けるため、建設部門は技術士資格の中でも特に受験者が多い部門となっています。

 

4.1級舗装施工管理技術者

1級舗装施工管理技術者は、道路舗装工事に関する専門技術と知識を認定する資格です。

現場で必須とされている資格ではありませんが、国土交通省や地方自治体からの工事発注では、この資格を持つ技術者の在籍が入札条件になることが多いです。そのため、舗装工事請負にはこの資格がほぼ必須と言えます。

 

・仕事内容

1級舗装施工管理技術者の主な業務は、舗装工事の現場での指揮です。主に道路工事を担当し、安全性を保ちながら工事を効率的に進行させる能力が必要です。

さらに、舗装の品質管理や実際の舗装作業も担当することがあります。

 

・受験資格と合格率

1級舗装施工管理技術者試験には、実務経験が必須です。資格や学歴により必要な実務経験年数は異なり、最短3年から最長15年が必要です。合格率は毎年約20%となっていて、試験の難易度が高いため、適切な対策が必要です。

 

5.コンクリート診断士

コンクリート診断士は、コンクリート構造物の健康状態を評価するために必要な資格です。この資格の需要が増加している背景には、70年から50年前の高度経済成長期に建設された多くのコンクリート建造物が老朽化し、問題を引き起こしている現状があります。

コンクリートの寿命が50年から100年と見積もられているため、現在は多くの建造物が寿命の範囲に入り、その劣化状況をチェックするコンクリート診断士の役割が重要になっています。

 

・仕事内容

コンクリート診断士の主な業務は、コンクリート建造物の劣化状態を診断し、必要に応じて修復計画を立てることです。コンクリートの劣化程度や修復の必要性を正確に判断するために、専門知識と実践経験が必要です。

この診断作業は、たとえば0.1メートル単位でのひび割れの確認など、詳細な注意を要するため簡単ではありません。

 

・受験資格と合格率

コンクリート診断士の試験には、特定の資格の保持またはコンクリート技術に関連する科目の学習と最低4年から8年の実務経験が必要です。この資格は主に経験豊富な専門家がキャリアアップを目指して取得するものです。合格率は約10%と低いため、十分な準備が求められます。

 

まとめ

土木関連の仕事で求められる資格は、一般的に難易度が高く、多くの実務経験を要するものが多いです。しかし、これらの資格を取得することで、キャリアアップの機会が増え、職場での価値が高まるなど、多くのメリットがあります。

取得した資格は決してムダにはなりませんので、興味がある資格があれば積極的に挑戦しましょう。

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