ー土木工事で必須の資格とは？キャリアアップや取得方法を徹底解説ー

土木工事の現場では、軽い作業であれば特別な資格がなくても働けることがあります。それにもかかわらず、資格を目指す方々は、以下のような疑問を持っているかもしれません。

 

・機械を操作するためにはどのような資格が必要？

・キャリアアップや転職に役立つ資格は？

・資格取得のための努力は報われるのか？

・資格はどうやって取得するのか？

 

この記事では、これらの資格について、くわしく紹介します。必要な資格についての理解を深め、効率的に取得する方法を知ることができます。資格取得を目指す方や、建設業に関心がある方は、ぜひ最後まで読んでください。

 

土木工事で必要とされる資格一覧

土木工事で活動する上で必要となる主な資格は以下の通りです。

・土木施工管理技士

・建設機械施工技士

・大型自動車運転免許

・車両系建設機械操作技能講習

 

これらの資格は、大きく現場管理関連と車両操作関連に分けることができます。以下では、それぞれの資格についての詳細や、取得の難易度を説明します。

 

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、道路、鉄道を含む様々な土木工事現場での施工管理を担当する責任者として認められる資格です。この資格は建設業界の国家資格の一部であり、毎年多くの受験者が挑戦します。

この資格は1級と2級があり、それぞれ管理できる範囲が異なります。

 

・1級土木施工管理技士資格：工事の主任技術者や監理技術者として、施工管理を行える資格

・2級土木施工管理技士資格：主任技術者として施工管理を行える資格

 

資格を取得するには、「第一次検定」と「第二次検定」の両方に合格する必要があります。第一次検定ではマークシート方式の選択問題、第二次検定では記述式の問題が出されます。

 

2級の場合、第一次検定の合格率は60%以上の年も珍しくないですが、第二次検定は合格率が30%〜40%台となることが一般的です。1級でも第二次検定の合格率は低く、記述問題の対策が資格取得の鍵を握っています。

 

建設機械施工技士

建設機械施工技士は、バックホウ、ブルドーザーなどの建設用機械を操作し、工事現場で施工管理を担う責任者として認められる資格です。この資格には1級と2級があり、それぞれが担当できる現場の大きさや、管理できる機械の種類に違いがあります。

 

• 建設機械施工技師資格（1級）：特定及び一般建設業での勤務が可能で、全ての建設機械の操作が可能
• 建設機械施工技師資格（2級）：一般建設業でのみ勤務可能で、限られた建設機械の操作が可能

 

大規模なプロジェクトに参加するためには、1級の資格を取得することが求められます。1級は特に試験の難易度が高く、合格率が20%代であることも少なくありません。取得後すれば、高く評価される専門家としての道が開かれます。

 

大型自動車免許

大型トラック運転免許は、車両の総重量が11トンを超え、最大積載量が6.5トン以上の大型車両を操縦するための免許です。この免許は、建設現場や事業所に建設機械や材料を輸送する際に必須となります。

 

大型車を操作できる能力を持つドライバーや作業員の需要は高く、多数の建設関連企業がこれらのスキルを有する人材を積極的に採用しています。そのため、未経験からの職種変更を考えているなら、大型自動車免許を取得しておくと有利になるでしょう。

 

車両系建設機械運転技能講習

建設機械運転技能指導講習は、ドラグ・ショベル、ホイールローダー等の運転資格です。運転免許を持っていても、それだけでは建設現場での機械操作は認められません。従って、土木作業に携わるなら通常、運転資格に加えてこの技能講習を受けることがおすすめです。

 

未経験者でも、38時間の講習を完了することで資格を獲得することが可能です。一方、建設機械施工管理技士の特定科目に既に合格している人は、講習時間を10時間に短縮できます。複数の資格取得を目指す場合は、取得すべき資格の順番にも戦略を立てると良いでしょう。

 

土木工事業界で資格取得するメリット

建設業で資格を持つ人材を採用することは、その企業の信用度を高め、新たな案件獲得の道を拓きます。これは企業運営において重要なメリットです。同時に、個人が資格を獲得することによる、以下のようなメリットもあります。

 

• 職務理解の向上
• 収入増加の可能性

 

資格学習を経て、土木作業や使用する機械への理解が深まります。たとえば、土木施工管理技師の資格では、建設プロジェクト実行に必要な法律知識や電気通信工学のような広い範囲の知識が要求されます。

 

資格を取得すると、給与アップにつながることが多いです。作業員が現場管理に関連する資格を取得すれば、責任ある立場で働く機会が増え、結果として給与が上がる可能性が高まります。高収入を目指す場合、資格取得は有効な手段の一つです。

 

このように、長期的に見れば、取得した資格には大きな価値があります。資格取得に向けて積極的にチャレンジしてみてください。

 

土木工事業界が未経験で資格を取得するには

土木分野での実務経験がない方が、業界で求められる資格を取得するには、主に次の2つの方法があります。

 

• 通信講座を活用する
• 土木業界の企業で実務経験を積む

 

通信講座を活用する場合は、自宅学習で資格取得を目指せますが、成功には多くの学習時間を確保することが必要です。本職との両立はかなりの努力を要するため、計画的に取り組まなければなりません。

 

一方、業界の企業で働きながら経験を積む方法では、職場からの支援を受けて資格取得を目指せます。企業によっては、試験費用を全額負担してくれる場合もあります。

 

特に管理職に必要な資格の場合は、実務経験が受験資格に求められることや、実際の機械操作を含む実技試験が設けられていることが多いです。必要な資格を効率良く取得したい場合は、企業に所属しながら実務経験を積み、勉強することが望ましいでしょう。

 

まとめ

土木工事に従事する作業員や管理職が目指すべき主要な資格は以下の4つです。

 

• 土木施工管理技師
• 建設機械施工技師
• 大型運転免許
• 車両系建設機械運転技能指導講習

 

未経験から土木工事の現場に入る場合や、転職する際には、車両系資格の取得がおすすめです。これは、求人で車両系資格が必須条件や優遇される条件としてよく挙げられているため、他の応募者との差をつけやすいためです。

 

既に現場で働いている人は、キャリアアップを目指して管理職に必要な資格を取得することを積極的に検討しましょう。