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土木工事ではどんな工事が行われている?土木工事の種類と内容

 

土木工事は道路工事や土地造成工事のほか、河川の氾濫を防ぐための工事や橋梁、トンネル、空港建設にいたるまで、さまざまな工事を行います。

 

そこで、土木工事の主な種類と具体的な工事内容をご紹介します。

 

河川工事

河川工事は大雨などによる水害を防ぐために行われる工事で、堤防・川底の強化や逆流を防ぐために水門を設置する工事です。

 

台風や大雨が起こると河川が氾濫し、周辺地域に災害をもたらすことがあります。
水害を未然に防ぐためにも河川工事は重要な工事です。

 

河川の等級

河川は等級ごとに管理する人が異なり、河川工事の依頼者はさまざまとなります。

 

「一級河川」
国土交通大臣が管理している国土の保安や経済的に最も重要とされている河川です。

 

「二級河川」
都道府県知事が管理している一級河川以外で流域面積が比較的小さい河川です。

 

「準用河川」
市町村長が管理している一級と二級以外の河川で、二級河川と同等の河川法を準用します。

 

「普通河川」
市町村長が管理している一級・二級・準用河川以外の河川です。

 

河川工事の種類

河川工事の種類は大きく分けて7種類あります。

 

「砂防工事」
砂防法に基づいて行われる工事で、土砂災害を防ぐことを目的としています。
河川周辺の道路や建物が土砂災害で機能できなくなることを防止します。

 

「地滑り防止工事」
地滑りの原因となる水を地下から排除して動きを緩和させる「抑制工」と構造物を構築して滑る可能性のある土塊に制限を与える「抑止工」があります。

 

「砂防ダム建設」
砂防ダムを設置することで土砂の流れを抑え、土砂災害を防ぐことができます。

 

「堤防建設」
河川の水位が上がった際に氾濫しないよう堤防を建設する工事です。

 

「床止め工事」
川底の土質が脆いときは床止め工事を行います。
土質が脆いと川の形状がすぐに変形してしまい、氾濫の危険性が高まりますので、川底にコンクリートを設置するなどして対策をします。

 

海岸工事

海岸工事とは海や河川、ダムなどの水上や水中で行う工事を指します。

 

海岸工事の最も大きな仕事が海岸の整備工事ですが、陸の工事と違い、潜水して行う工事もあるため、十分な安全性を確保しなければなりません。

 

海岸工事の内容としては「海岸の保全施設の建設や改良に関する工事」「海岸の自然設備の改善」などです。

 

道路・トンネル工事

 

道路工事の種類

「新設工事」
新しい道路を造る工事です。

 

「改良工事」
バリアフリー化をする工事や狭くて車両が通りにくい道や見通しが悪い道などを改善する幅広工事などです。

 

「維持・修繕工事」
老朽化した道路のアスファルトのメンテナンスや標識、ガードレールなど、新しいものに交換するなど、道路の維持・修繕を目的とした工事です。

 

トンネル工事の工法

「シールド工法」
シールド工法はシールド機などの機械を使用してトンネルを造る工法です。
シールド機で掘削した直後にトンネル壁面をセグメントで囲み造ります。
岩盤、砂、粘土など、さまざまな地質でトンネルを建設することが可能です。

 

「TBM工法」
TBM工法はトンネル・ボーリング・マシン(TBM)を使用してトンネルを掘削する工法です。
TBMでトンネルを掘削した後、セグメントで囲み造ります。

 

シールド工法は主に平地部のトンネル掘削を得意とするのに対し、TBM工法は山地部のトンネル工法を得意とします。
また、岩盤など硬い地盤の掘削を得意とします。

 

「山岳工法」
山岳工法は山地部で岩盤などの硬い地盤のトンネル掘削に向いている工法です。
機械を使用せず、重機や建機、人力、発破などで掘削します。

 

地盤を見ながら掘削できるため、地質の変化や障害物に対応しやすいという特徴があります。

 

橋梁工事

橋には桁橋や吊り橋、アーチ橋などさまざまな橋がありますが、これらの橋を造る工事が橋梁工事です。

 

橋梁工事の種類

「ベント工法」
橋梁工事の中で最も一般的な工法です。
上部工をベントで支え、移動式のクレーンで架設します。
工期も短く、費用も抑えられる点がメリットです。

 

「ケーブルエレクション工法」
桁下が流水エリアなどでベントの設置が困難なケースで、両岸にアンカーや鉄塔の設置が出来る場合に採用されます。
鉄塔の設備を移動式のクレーンで組立、架設用の吊り設備を建てた後、鉄塔からケーブルを張り架設部材を吊り下げながら橋梁を架設します。

 

「送り出し工法」
流水や道路、鉄道などがあるため、桁下にベントの設置ができない場合に採用される工法です。
架設現場に隣接したところに架設機材と手延機を組み立てる必要があるため、ある程度の広さが必要です。

 

「トラベラークレーンベント工法」
桁下にクレーンが設置出来ない場合に採用される工法です。
桁上にトラベラークレーンが走行するための設備を設け、部材の運搬を行います。
桁の架設とクレーンの前進を繰り返し、橋梁の架設を行います。

 

「フローティングクレーン工法」
工事の岸壁や現場付近で大きなブロックを組み立てた部材を河口や海峡にある現地まで運搬し、フローティングクレーンで橋体を一括で架設します。
橋桁の支えを必要としないケースもあり、ほぼ完成形に近い状態で架設することが可能です。

 

空港建設工事

空港施設の新規建設や既存施設の改修などを行います
用地造成工事の後に建築工事や舗装工事を行います。

 

海上の場合は埋立造成工事や護岸築造工事などを行います。

 

ダム工事

ダムは貯水や水量調整、発電のためになくてはならない設備です。
ダム建設は10~20年もの歳月をかけて行う大規模な工事となります。

 

ダム工事の流れ

ダム工事ではまず、工事用の道路を造ります。

 

運搬路が出来上がったら、工事中に水を流すための一時転流、基礎地盤を出すための基礎掘削、ダム内部に水を流すための二次転流、ダム本体の堤体打設を行います。

 

土地区画整理工事・土地造成工事

土地区画工事・土地造成工事は建物を建築できるように土地の状態を整える工事です。
大地掘削や岩石掘削、表土掘削などにより地面をならすのが主な作業です。

 

造成工事が必要なケース

・土地が変形している
最も効率的に活用できる土地の形状は「四角」です。
土地の中には変形している土地も多いため、区画しやすいように四角い土地に整備をするために造成工事を行います。

 

・土地の地盤が軟弱
田畑として使われていた土地は地盤に腐葉土が重なって柔らかいため、そのままでは宅地としては利用できません。
このような場合は腐葉土を取り除いたうえで新たな土砂を土盛する、地盤改良するなどの工事を行います。

 

・傾斜がある・高低差のある土地
山林など傾斜、高低差がある土地を宅地として利用するためには土地を平坦にする必要があります。
このような場合、傾斜を切土したり、土盛をして平坦にする造成工事を行います。

 

土木工事にはさまざまなものがある

土木工事の主な種類をご紹介しました。

 

土木工事の多くは人々が安全に暮らすために必要なインフラを整備する工事です。
規模の大きい工事も多く、最新技術を駆使して人々の生活を便利にするための設備が土木工事により日々行われています。