株式会社Second Voice

土木工事の作業員の安全対策 事故を防ぐ現場整備・服装・熱中症対策

 

土木工事において、最も大切なことは迅速に、かつ安全に作業を行うことです。
そのため、作業員の作業環境や服装、装備などの安全対策を徹底する必要があります。

 

今回は、土木工事の作業員の安全対策をご紹介します。

 

土木工事現場の安全対策

土木工事の作業員が安心して作業をするための安全対策で特に重要なポイントは以下の5点です。

 

現場代理人を常駐させる

現場代理人とは工事現場で工事請負業者の代わりに責任者を務め、現場全体の管理を行う立場の人です。

 

主な仕事は現場の安全管理、工程管理、請負代金の管理、各業者との打ち合わせ、周辺住民への対応などがあります。
また、万が一事故があったときの状況確認を行います。

 

公共工事では国土交通省が策定した「公共工事標準請負約款」で配置が義務付けられています。
ただし、常駐義務の緩和措置により常駐しなくても良いケースもあります。

 

新規入場者の教育を徹底する

土木工事の現場では多くの人と大型の機械が動いているため、緊張感を持って行動することが求められます。

作業員の安全を確保するためにも新しく工事現場に入場する人には教育訓練を行うよう、徹底が必要です。

 

作業手順の確認をする

現場に慣れている作業員でも事故に遭ってしまう可能性はあります。

 

作業手順は安全ミーティングなどで毎回共有し、事故を未然に防ぐことが大切です。
また、安全のために必要な手順はその理由についても共有する必要があります。

 

休憩場所の確保・快適な作業環境の確保

安全に作業するためには快適な環境を充実させることも重要です。

 

休憩場所や作業環境などを整備して快適な環境を確保します。
冷暖房設備やウォーターサーバー、冷蔵庫や電子レンジの設置など、快適に働ける環境づくりをします。

 

ときには現場の要望を聞き、要望に合わせた設備の設置をして環境を整えます。

 

消火器の配置と救急用具の設置

工事現場では思わぬ事故が発生する可能性があります。

 

消火器を適切な場所に設置し、万が一火災が起きたいときに対応できるようにしておきます。
灰皿にはゴミが入っていないか、水がきちんと入っているか定期的にチェックして火災を予防することも重要です。

 

また、作業員が負傷した場合に速やかに応急処置ができるように、救急用具の場所の周知をしておき、定期的に中身を確認して足りない物は補充しておきます。

 

土木作業員の服装

土木作業は安全対策のため、服装に関しても安全性を配慮したルールがあります。
力仕事を行う場面も多いため、動きやすい服装であることはもちろんですが、正しい服装をしていないと危険を伴うことがあります。

 

ここでは土木工事現場での基本的な服装をご紹介します。

 

土木作業員の一般的な服装

土木工事の作業内容は多岐にわたりますが、大きく「土木」と「機械土工」に分けられます。
人による作業と機械作業という違いはありますが、どちらも長袖・長ズボンの安全性と機能性を重視した動きやすい服装をします。

 

現場作業員というと、ニッカポッカや地下足袋を連想するかもしれませんが、現在では安全対策のため着用を禁止しているところが多くなっています。

 

ヘルメット(保護帽)

土木作業では頭部を守るため、ヘルメットが必要です。
作業中にヘルメットが脱げたりずれたりすることのないよう、あご紐も上までしっかりと締めて着用します。

 

安全靴

物の落下によるケガや滑って転倒するリスクを減らすため、安全靴を着用するのが一般的です。

 

手袋

手袋は作業によって種類を使い分け、安全対策を行います。

コンクリートや油を使う場合は、ゴム引きの防水加工手袋を使用して皮膚の荒れを防ぎます。

 

高温の建材を扱うときは皮手袋を着用します。

細かく繊細な作業を行うときに薄手の手袋を使用する場合もあります。

 

事前に確認しておくこと

作業着は会社によって支給している場合もあります。
その場合は初日から使用できるのか確認しておく必要があります。

 

また、各自で作業服を用意する場合には、作業着の色や禁止の服装を事前に確認しておき、早めに用意しておくことが大切です。

 

土木作業現場の熱中症対策

土木工事は屋外で行うことが多いため、夏場に特に気を付けたいのが熱中症です。
近年では外気温が35℃以上になる猛暑日も増えており、熱中症リスクも高まっています。

 

熱中症は死亡災害になる場合もあることから、安全対策のために気象情報に気を配り、熱中症対策をしっかりと行うことが求められます。

 

土木工事現場では次の4つの対策を行うと効果的です。

 

こまめな水分・塩分補給を心がける

工事現場では作業時間が長くなればその分汗をかく量も増えていきます。

 

汗によって体内の水分と塩分が流れ出ると体内バランスが崩れて熱中症を発症しやすくなるため、経口補水液や塩分補給キャンディを活用して水分と塩分を補給する必要があります。

 

喉が渇いてからでは既に体内の水分が足りていない場合がありますので、喉が渇いていなくてもこまめに水分補給をすることが大切です。

 

送風装置を設置する

大型扇風機などの送風装置を活用して作業現場に涼しい風を送ると作業も快適になります。
また、足元に遮光ネットを設置して地面からの照り返しを防ぐのも効果的です。

 

導入費用は発生しますが、屋外用のスポットクーラーも効果的です。

 

ファン付き作業服など熱中症対策グッズを活用する

各自が熱中症対策グッズを活用することも熱中症の安全対策として大切です。

ファンを回して衣服内の空調をコントロールするファン付作業服や冷感機能のあるアンダーウェアを導入すると作業中も快適です。

 

休憩時間の設定を見直す

休憩のタイミングや時間の見直しも効果的です。

 

例えば午前中に1回の休憩を設定している現場なら、気象状況に応じて休憩を2回に増やす、休憩時間を延長するなどすると熱中症発生リスクを抑えられます。

 

また、日照りが厳しい時間は作業強度を落とす、作業員の体調チェックの回数を増やすといった方法も効果的です。

 

土木工事では現場の安全対策をしっかり行い作業をする

土木工事の現場では、安全対策を徹底して作業員の安全を確保することが大切です。

環境整備はもちろんのこと、作業員各自の服装や装備の徹底や熱中症対策を行うことで安全対策につながります。